- 第11回諺にも、藍染
- 2019/9/01
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藍染から生まれた諺や故事成語がいくつかあることはご存知でしょうか。
それらから、いかに藍染が人々に親しまれてきたかを窺い知ることができます。
- 「青は藍より出でて藍より青し」
これは荀子の言葉が元であり、弟子が師を超えることを指します。
ここから派生して、「出藍の誉れ」という言葉も生まれました。
- 「紺屋の白袴」
紺屋はこうや、こんやと読み、紺色を染める染め屋のこと。
つまり藍染屋です。
これは、藍染の仕事が忙しくて自らの袴は白いままである様、
そこから周りのことで手一杯で自分のことが蔑ろになっていることを指します。
医者の不養生と同義ですね。
壺草苑のスタッフも、惜しいことに藍で染めたものを着ていることは滅多にありません…。
- 「紺屋の明後日」
染め屋の仕事は天気に左右され易く、
納期を尋ねるといつも”明後日にはできる”と言うこと、
そこから約束が当てにならない様を言います。
「明後日紺屋に今晩鍛冶屋」と言ったりもします。
紺屋の身にはなかなか刺さる諺です。
ちなみに藍染を天日干しするのは布を乾かすだけでなく、紫外線に当ててタンニンの黄色味を浮かせるという目的もあります。
そしてまた洗い、天日干しをしてまた洗い…
壺草苑ではこれを4日間繰り返します。
そうすることで、黄色味が抜けた青はより鮮やかに、
余分な青色も落ちてゆきます。
ですから晴れない限り、作業は一向に進みません。
特に今のような梅雨の時期は、
「お天気が持てば明後日には…」
とまさに紺屋の明後日が発動してしまいます。
梅雨明けが待ち遠しいですね。