- 第1回藍染とは
- 2018/11/15
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日本人で藍染を知らない人は珍しいですが、いざ藍染とは、と問われた時にぱっと答えられる人は案外少ないかもしれません。
工房でも、「藍染って何で染めるの?」という声が時折聞こえてきます。
簡潔に言うならば、藍色の色素を持った葉っぱを使った染物の事をいいます。
(広義には化学染料も含まれますが、ここでは天然藍のお話をします。)
この葉っぱの種類と、染め液の作り方(=”藍を建てる”)は地域によって様々ですが、
それぞれに適した手法で染液を作り、人々は身にまとうものを藍色に染めてきました。
葉っぱの種類は、
本州ではタデ科の蓼藍(たであい)、
寒冷な北海道では蓼藍やアブラナ科の大青、
温暖な沖縄地方ではキツネノマゴ科の琉球藍、
と大別されるように、日本の中でも地域によって異なります。
世界に目を広げてみると更に多様です。
インディゴの語源となったインドをはじめ、アフリカやヨーロッパなど、世界中に藍に用いる植物は存在し、それぞれに藍染の文化が育まれてきました。
染め方・建て方も時代や地域によって様々です。
藍の葉を堆肥状に発酵させて用いる蒅(すくも)法、
藍の葉を水に浸して色素を沈殿させる沈殿法、
より簡易的な生葉染、摺染、など。
藍染と一口に言っても非常に多様であり、
かつては藍染のない民族はいない、と言われるほど世界中で馴染みのある存在だったようです。
ではジャパンブルーなどと呼ばれ、日本の藍染が広く知られているのは何故でしょうか。
次回は日本の藍染についてお話したいと思います。