- 第7回アフリカの藍染
- 2019/5/01
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あまり一般的には知られていませんが、アフリカは藍染文化がとても広く根付いている土地です。
その歴史はあまり明らかになっていませんが、王族や祭祀の衣装として多くの民族の間で藍染が用いられてきました。
使用する藍草は主に2種類見られます。
まずはマメ科のコマツナギで、
刈り取った葉を刻み乾燥させ、土間や空の甕の中で保存します。
保存する間にも藍葉は発酵を始めるそうで、日本の蒅に近い状態と言えそうです。
もう一つはナイジェリアのヨルバ族が用いるアイフジ(別称ヨルバ・インディゴ)です。
アイフジは幼葉にのみ藍の色素を含みます。
その葉をついて丸め、乾燥させて保存し(玉藍と呼びます)、これを灰汁に混ぜて発酵させて染めます。
沈殿方よりも更に簡易的な手法と言えます。
国や植物は違えど藍染のロジックは変わりませんので、製藍の方法もある程度共通点が見られますね。
そしてもれなくアフリカにも、インド藍、そして化学建ての波は届いているようですが、原始的な生活を守る民族の間ではきっと今でも天然藍が続いているのではないでしょうか。
柄の付け方は絞り染めが多いですが、防染糊を用いた型染めも見られます。
エネルギーに満ちたおおらかな柄が魅力です。
またサハラ砂漠には“青衣の民”と呼ばれる、遊牧民トゥアレグ族が暮らしています。
藍で染めた布を頭から足元まで全身に纏った姿からそう呼ばれ、
藍染の布の香りや、布と擦れて青くかすんだ肌を好むのだとか。
多彩な藍染が溢れる、アフリカ大陸です。