壺草苑

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コラム

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第4回日本の藍染 その3
2019/2/01

江戸の世に隆盛を極めた藍染ですが、時代が下ると安価なインド藍の輸入が始まり、
それまで育まれてきた昔ながらの藍染は脅かされ始めます。

 

さらに追い討ちをかけるように、
明治時代に入るとドイツにおいて合成藍(人造藍、化学藍などとも)が発明されました。
藍の葉を用いずとも、化学的に藍の色素を精製することが可能になったのです。

 

この頃の日本は近代化の渦中、
最新の技術や便利さをこぞって追いかけます。
瞬く間に植物由来の藍染は減退し、この合成藍が取って代わりました。

 

その後現代に至るまで、市場に出回る”藍染”製品のほとんどがこの合成藍で染められています。

手間とお金のかかる手段が廃れ
便利さをより追い求めることは自然な流れですし、
それは日本に限ったことではなく、外国の田舎であっても今では合成藍が主流のようです。

 

このように藍染と一口に言っても、化学的なものから天然のもの、
その中間のものなどと多様なのが現代の藍染です。

 

しかし常に時代は動き続けます。
昨今の日本では生活に手間暇をかけること、

地球環境への負担が少ない生活様式を目指し
化学的なものよりも天然素材がより良いとする流れが強まっていますね。
藍染においても、一時期よりは天然藍の割合が増えてきているようです。

 

もしかしたら…
天然藍の時代が再び訪れる日も幻ではないかもしれません。

 

ともあれ今後も変化を続けながら、
日本の藍染文化は続いていくことでしょう。